このマンモスは、もともと極寒の地に住む生物ではありませんでした。実際に、シベリヤで発見

された氷づけのマンモスの状況は、その口と胃の中から、温帯に生育するキンポウゲなどの青草が

見つかっており、まだその青草が口と胃の中にある時に突如として凍死した状況を呈しているから

です。これは、当時の北極が温暖な地であり、良く肥えた巨大な動物が草原の大地で草をはんでい
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　そうぐう
た時に、思いがけない災害に遭遇したことを物語っています。しかも表面的には何の外傷も受けず、
　　　　　　　　　　　　　　　　　かいま
冷凍化していった状況を垣間見る時、実に驚くべき気候変化があったように思われます。

　進化論で言う氷河期は、何万年という長い期間を要して形成されるので、温暖な気候の下にあった

動物が突然氷河期に入ったとしても、瞬時に冷凍化することはあり得ません。

　この他にも、シベリヤでは、温帯植物のシュロの木も掘り出され、北のグリーンランドでは、北緯
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　せっし
７０度地帯で、乾燥温暖地に適しているイチジクの木が発掘されてもいます。又、摂氏２０度以上の

水温がなければ生育できないサンゴの化石が、南極や北極付近で発見されています。

　　つまりこれらのことは、当時の極地はたいへん温暖な気候に恵まれていた事と、緯度の高低に

かかわらず、一様に温暖で湿潤な気候であったことを物語っているのです。それが突如として氷に

閉ざされた地と化した驚くべき変化の謎は、長い時間を必要とする進化論的考えでは解明できない

ものなのです。

	しかし、聖書の記述に立つと、実に明解 にその謎が解けてきます。聖書によると、 当時の地球の上空には水蒸気層が存在して いたとあります。すると、説明は単純明解 です。地球全体は、水蒸気層でビニールハ 　　　　　　おお ウスのように被われ、緯度の高低にかかわ らず年間を通じて非常に温暖であったた め、どこででも植物がよく生い茂ることが できました。

しかし、ノアの時代に起こされた大洪水によって、上空の水蒸気層が取り除かれ、大雨となって
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　は
降り始めたために地表の温度は下がり、地球はビニールハウスのビニールが剥ぎ取られたように

温室効果を失いました。そして北極圏や南極圏のように太陽高度の低いところでは急速に冷却し、
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　いがい
たちまち氷原化していったのです。マンモスのような凍結された動物の遺骸や化石は、少なくとも

何らかの急激な激変があって初めて可能となることです。なぜなら、化石は長い年月をかけてゆっ
　　　たいせき
くり堆積していった場合は形成されないからです。動植物が崩壊しないようにすばやく葬られ、

その後長い間温存されなければ化石はできません。もしゆっくりと土砂が堆積したのだとすれば、

生物は化石になる前に腐敗し、分解されてしまいます。ですから、長い期間を要する進化論的考え

では説明に無理があり、むしろ聖書の記述こそ、地球の観測結果に納得を与えるものです。

それは、ノアの大洪水のような激変によって生じたことを物語っているからです。

聖書の記述は、今日まで、私たちのルーツをはっきりと証言しているのです。