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2020年 NO.736


『わが父、わが父、どうしてお見捨てになったのですか』


 イエス様の「エリ、エリ、レマ、サバクタニ」という十字架上の叫びは、実はゲッセ

マネの園での祈りの延長線上にあった、イエス様の腹の底からの訴えです。ゲッセマネの

園では「わが父よ、もし出来ることなら、この杯を私から過ぎ去らせて下さい」と祈られ

ました。この時イエス様は、苦しみから逃げ出したいという気持ちが働いていたのです。

ですから、この言葉は、イエス様の偽りのない肉の感情の発露です。しかも、この叫びは

イエス様の感情から出た敗北宣言です。実は、この感情は、罪深い肉を持つ人間なら、

誰でも出てくる感情です。ですから、絶対主の御子としてのイエス様も
「人間と同じ、

罪の肉の姿を持って遣わされたため」(ロマ8:3)
罪は犯されませんでしたが、この

弱気な心を発露されたのです。それは、全ての点で私たち人間と同じように試みに会われ

たからです。しかし、この弱気な心は罪ではありません。問題はその後の行動が重要です。

イエス様は、自分の弱気を正直に発露し、三回も絶対主に訴えましたが、最後には、

「わが父よ、もし、わたしがそれを飲まない限り、過ぎ去ることのない杯でしたら、

どうか、あなたの御心の通りになさって下さい」と、
立ち上がられたのです。こうして、

肉を(にな)われた「人の子」であるイエス様が、もしこの肉の弱さを持たなければ、罪とは

一切関わりのない肉を持ったことになり、そこには一切人間的な弱さもなく
完全無欠な

絶対主の子
として、自分の弱さを出すこともなく、難なく十字架上の苦しみも通り過ご

されたことでしょう。すると、キリストの受難は、単なるイベントで終わってしまいます。

しかし、キリストは私たちの贖いのためにあえて人の子の肉を担われ、罪深い肉の償いを

されたのです。「
キリストは、人としての肉の生活の日々には激しい叫び声涙を

持って
」(ヘブル5:7)、「全ての点で人と同じように試みを受け」(ヘブル4:

15)、
祈りと願いをもって絶対主に従われた」とありますですから、イエス様は

人間の肉を荷われ、私たちの救いのためにそこまでして自分を低くし、罪人の償いをし

て下さったイエス様の愛を知ると涙するのです。このように、たとえ絶対主の御子であっ

ても、肉を担われたイエス様は、絶対主に従い通すために、多くの涙と、激しい叫び声

と、苦しみもだえながら、祈りの決断によって「
純な綺麗事の信仰」を通された方です。

ここに、なりふり構わず、熱いハートを持って、絶対主の前に、遜りの伴った「悔いし

砕かれた心」をもって
従い通されたキリストの模範があります。ですから、私たちもキリ

ストに習って、「
純な綺麗事の信仰」に立つために、ゲッセマネの叫び声の中で決断する

必要があります。この祈りの決断なくして、絶対主への「綺麗事の信仰」を通すことは

出来ません。これまで、ゲッセマネの祈りは、イエス様だけのものと考えていました。

しかし、私たちも「綺麗事の信仰」に立つためには、苦しみもだえる中で、
祈りによる

「定め」が必要
なのです。そうしなければ、ただ頭だけで「純な信仰に立ちたい」という

思いだけで終わってしまいます。本気で絶対主の働きに参加し、「信じる者に働く全能

の力が、如何に偉大か」を知るためには、私たちが「信じる者」とならなければなりま

せん。この「信じる者」とは、思うだけではなく絶対主により頼む「綺麗事の世界に入る

決断」が必要です。私たちは、イエス様だけに「綺麗事の信仰」を求めるのでしょうか?

いいえ、ジョージ・ミュラーさんのように、信じたクリスチャンは皆、ここに立ったので

す。この信仰の証に立って、私たちは世界に出かけて行くのです。どうか、ゲッセマネに

入って下さい。そして、イエス様と同じように「
あなたの御心の通りに()さって下さい

と、「
純な綺麗事の信仰に立つと心に定めて、なりふり構わず、熱いハートで向かって

従い通す世界に、飛び込みましょう。

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