『進化論による生命の起源』
―「海底温泉説」と「土壌起源説」―
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第四の説として「海底温泉説」というのがあります。
それは、スタンリー・ミラーのアミノ酸合成実験の矛盾が指摘されたところから生まれた
ものです。ミラーは、アミノ酸が酸素に触れると分解してしまうことを知っていました。
又、酸素がないと大気にオゾン層が形成されず、地上に紫外線がじかに降り注ぎます。
すると、紫外線もアミノ酸を分解してしまうのです。
しかし、生命には、酸素が不可欠です。この矛盾を解消するために、NASAの海洋生物学者
ジャック・コーリスが「海底温泉」に着目したのです。海底温泉口では、硫黄成分を
エネルギー源として、バクテリアなどが生息しています。そこで、「温泉が提供する良好な
環境下で、アミノ酸分子が生命体細胞まで発展した。」と考えたのです。
しかしながら、海底では、雷の放電も届かず、たとえ アミノ酸が合成され、その分子が
集ってポリペプチドを形成しても、水中では分解されて、アミノ酸に戻ってしまいます。
そのため、決してタンパク質は合成されません。この海底温泉説も、みごとに崩れ去り
ました。
そこで、今度は「土壌起源説」が台頭してきます。しかしながら、この説も崩れ去り
ます。なぜなら、「土を使った疑似進化を実現した人もいなければ、又、自然の中に土を
起源としたと思われる有機体を発見した人もいない。」からです。又、バクテリヤの持つ
生命体の情報は、百科事典ブリタニカ1億ページ分にもなります。このバクテリヤが、
偶然によって発生するチャンスは、10の78,436乗分の1であり、統計学上のゼロは、
1030〜1050分の1ですから、ゼロ以下ということになります。
もし、時間さえあれば、自然に発生するとしても、この宇宙の歴史の時間では、とても
確率を有効にする時間には足りません。すなわち、偶然による生命の発生は、確率ゼロの
出来事なのです。
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