「あなたは燃える蛇を作り、それを旗ざおの上につけよ。すべてかまれた者は、
それを仰ぎ見れば生きる。」(民21:8)
イスラエル人のつぶやきは、「このみじめな食物に飽き飽きした。」という肉の求め、肉の欲望に
対する不満でした。イスラエル人が荒野を通らされた目的は、「人はパンだけで生きるのではない、
人は主の口から出るすべてのもので生きる。」ということを学ぶためでした。パンは、人が種を
蒔き、育て、臼で碾いて、捏ねて作ります。しかし、マナは人の努力によって得たものではありま
せん。すなわち、人は、自分の肉の力だけで生きるのではない。神のことばによって与えられる
食物で生きるということを学ぶためでした。人のあくなき肉の追求は、所詮飽き飽きするだけで、
人間の心を満足させるものではありません。そして次から次にやってくる蛇には、人間の力では
どうにも対処できないのです。 だから、肉に頼って歩むのをやめて「イエス様だけを見上げな
さい。」というのが、メッセージなのです。イスラエル人は、あれだけ蛇にかまれて苦しんでいた
のに、上を仰ぎ見ただけで、ケロッと直ってしまいました。荒野の40年間の学びは、人間の肉の
力では、何も為し得ないので、「肉で生きるのを止めて、霊で生きよ。」という学びだったのです。
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