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2020年 NO.739

『新しい命の中で歩む(T)』
ロマ6:4


 「誰でもキリストにあるなら、その人は、新しく創造された者です。古いものは過ぎ

去りました。見よ、全てが新しくなったのです。」
(第Uコリント5:17)とあります。

この御言葉は、キリストを信じたら、(まった)く新しい別人になるという意味ではありません。

「過ぎ去りました」という単語は、アオリスト形です。ということは、現在の状態如何(いかん)

関わりなく
、古い以前の自分は過ぎ去ったと言うことが、キリストにあって実現している

ことです。ですから、そのことを疑いなく受け取ることが、「信じる」と言うことです。

このアオリスト形の聖書の主張は、自分が感じようが感じまいが、あれこれ考えずに、

聖書が伝える真実を信じるときに、分かってくる内容です。ですから、聖書の内容は、

私たちがこの地上で理解していた教えの延長ではなく、全く新しい教えです。すなわち、

全てが新しくなったのです。と言うことを学ぶことですから、これまでの自分の

先入観を(すべ)て取り去って、「まっ(さら)な心でそのまま聞いて吸収して行こう」と切り替え

ていくのです。すると、分かってくる新しい世界があるのです。その為には、話を聞いて

いるときに、腹の中であれこれ考えるのを()めて、相手の話しに集中することです。

そして、聞いたことに反応してそのままやってみることです。それをする時、あえて心の

中で「出来る、出来ない」をあれこれ考えないことが、秘訣です。これが空っぽの器です。

すると、ここで初めて、「見よ。全てが新しくなったのです」という信仰の生き方を経験

することになります。それは、たとえ以前の古い性質があったとしても、その古い性質

に捕われない考え方をするからです
このことは、自分を誤魔化す詭弁(きべん)ではありま

せん。なぜなら、これが聖書の教える生き方だからです。しかも、自分の意志で、古い

性質から離れて考えようとしたのは、自分の信仰から出たことだからです。それはやら

されたのではなく、自分の信仰で始めたことです。その時、ロマ書に記されている

「新しい命の中で歩むためです。」(ロマ6:4)とある、御言葉が実現します。

また、この切り替えが、クリスチャンが「新しい命の中で生きる」ということを始め

出すことになるのです。しかし、ここで「誰でもキリストにあるなら、その人は、新し

く創造された者です。以前の者は過ぎ去りました。見よ、全てが新しくなったのです。」

という御言葉を信じる信仰がなければ、この生き方は、たとえ教会生活が長くても、

味わい知ることの出来ない体験です。それは多くのクリスチャンが、現実として、古い

性質に捕われているからです。そして、そこから離れるのは、自分を騙すことだと思わ

されているからです。確かに古い性質は、消えません。依然として、自分の肉の性質は

自分の考えとして出て来ます。しかし、クリスチャンは、キリストの救いを信じたの

です。ならば、信じた者としての考え方を持つのが正しいのです。「キリストにあって

生きる」という生き方は、未信者時代には全く味わったことのないものです。だから、

この信仰的な新しい生き方は、学ばないと分からないのです。もし、「新しい生き方」

を知りたいと思うなら、自分の知っている考えから離れて聞かないと始まりません。

だから、昔の考え方や、自分の古い性質に留まり、それを()()げていては、新しい

ものは学べません。なぜなら、自分の癖、自分のやり方、自分の性質から離れないと、

新しいものが心に入ってこないからです。ということは、自分の性質を無視して離れて

いいのです。即ち、古い自分に頼ってはいけないのです。悪魔はどこまでも現実を見さ

せるように働きます。私たちが現実を見たら、罪しかありません。しかし、キリスト

は、新しい自分を見させます。だから、自分が好んで「新しい世界を見よう」としなけ

れば、悪魔が支配する現実の罪の世界に留まるだけになります。私たちは、一念発起(いちねんほっき)

して「新しい生き方」に入る決心をしましょう。そうすれば、キリストにある新しい景色

を見ることになるでしょう。

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