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2004年 NO.53

             
『主の御心に立つ』   
  

    「ヤコブは、私より先に行く贈り物によって、エサウをなだめ、  

        そうして後、彼の顔を見よう。・・・と思った。」(創32:20)


 ヤコブは550頭もの家畜をいくつかに分けて、群と群との間に距離をおき、エソウと出会うたびに、

「これは、ヤコブらの贈り物です。」と言わせたのです。これだけの贈り物を次から次に見せつけられた
                                    こうかつ
ら、怒り心頭であったエソウも、だんだん鼻の下が長くなってくるものです。実に狡猾というか、人の

心理をうまくついた作戦です。しかしこれほどまでの財産を使って、お兄さんに受け入れてもらおうと

した動機は、主の御心に立とうとしたヤコブの一心であったと思います。それは、カナンに帰るのは、

神ご自身が、アブラハムの相続をヤコブに受け継がせると約束しておられた、主の御心に立とうとして

いたからです。
だから、わざわざ、怒りに満ちている兄エソウの許に戻ろうとする彼の心は、神を信じ、

神にあって生きて行こうとする信仰の一心だったのです。

ですから私たちも、ヤコブの信仰の生涯から、主の御心に立つために「そこまでするか」と言う生き方

を習っていきたいと思います。中途半端なところに、神様の助けはありません。普通なら、これだけの

財産があるのだから、エサウから離れて、他の土地で裕福に暮らすことも出来たでしょう。

しかし、神を信じる者は、困難と恐怖を感じても、主の御心の中に歩もうとするのです。

この強い心こそ、今の私たちに求められる信仰です。


 



                                    



     
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