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前世の報いは    本当にあるのでしょうか

(釈迦が否定した輪廻思想)


 
             

                                  ぜんせ      むく
   現在自分の受けている苦しみは、前世の悪の報いだと真剣に悩んでいる方々がいます。

       しかし、果たして前世の報いが本当にあるのでしょうか?

                                        りんね
     ある人々は、「死んだらまた生まれ変るんだ(輪廻)」と言います。

      またある人々は、「死んだらすべてが終わりだよ」とも言います。

        では一体、人は死んだらどうなるのでしょう。

           




※輪廻転生(りんねてんせい)・・「生ある者が限りなく生死
を繰り返す」という考え方


  りんね                                                  がき  ちくしょう
 輪廻の思想では人は死ぬと生前の行いに応じて、来世では六つの道(地獄・餓鬼・畜生・
あしゅら                                  もともと
阿修羅・人間界・天上界)に生まれ変わると考えられています。この輪廻思想は、元々仏教
                                  ひせいふくみん
から出たものではなく、ペルシャ人から伝わったバラモン教の教えであり、被征服民である

インド人たちを最下層の身分に閉じ込めておくために利用されたものでした。インドの原住
                  せんみん        せんみん    よくあつ
民は、四つの階級制度(祭司・王・平民・賎民)の最下層の賎民として抑圧され、その身分は
     むく                            いんが
前世の悪の報いだとあきらめさせられていたのです。すなわち、その身分の因果は前世の
           ごう                          いぬちくしょう
報いであり、人間の悪(業)が現世に受け継がれ、生まれ変わって犬畜生になったり、人間界
           ひさん
に生まれても賎民という悲惨な定めがあるのだと教えられていました。


!!実は、釈迦はこの輪廻転生を否定した最初の人です。!!


  しゃか
 釈迦はインドのシャカ族の王子として生まれ、戦いが続く日々の中で、この国がいつ減ぼ
             おび
されるのかと、敗北の不安に怯えながら悩みを深めていました。又当時はバラモン教が全盛
 きわ                        ぼんてん       しゅくめいかん
を極めており、被征服民であるインド人は、バラモンの神(梵天)が定めた輪廻の宿命観で
みじ
惨めな生活を強いられていました。
          かつ
そんなある日、死んで担がれていく人の姿を見て、
「人はあのように死んでいくのだ。
       むな
あらゆるものが空しいのに、なぜ人間は生きていくのか、どうして人は老いていくのか、
                     しゅぎょうしゃ
人間が常に苦しみを持つのはなぜか?」と考え、修業者の道を歩んだのです。
                            ぼだいじゅ   さと
そして、バラモンの教えでは、人は救えないと分かった時、菩提樹の下で悟りを求めまし

た。
  さと
その悟りとは、人の苦しみの原因は全て欲望にあり、その欲望を捨てるには、

「この世が常に移り変わることを知り、正しい道に進むことだ。」と考えたのです。
                   しょぎょうむじょう
すなわち、「この世の中の出来事はすべてが諸行無常であり、いつまでも続くものは一つも
         かね
なく、全てのものは鐘の音のように(ゴォ−・・・ン)と消えていくのだから、死んだら
        む               しゅうちゃくしん
全ては消え去り、無となる。だから、世の執着心を一切断てばよい」と語ったのです。
                  りんねてんせい              
そして、死後は何もない世界だと考え、輪廻転生を否定したのです。



                                            むく
   以上のことから、人が現在の苦しみに合うのは、前世の悪の報いだ。」というのは釈迦の教え

ではなかったのです。


 釈迦の説教は現世のことであり、死後のことについては、何も語りませんでした。
                  しゅぎょうよくねん  しゅうちゃくしん
 釈迦は、「自分たちの生きている間に修業し、欲念と 執着心 を捨て、正しい道を歩みなさい。

そうすれば、現世の苦しみから解放される」と説いたのです。
                                  あみだ
 又、釈迦自身は死んだら無だ、と語ったのですから、釈迦が死んで神(阿弥陀様)になるわけで

もありません。
          ほとけ
 さと
 釈迦は、仏 (覚った者) という意味であり、神という意味ではありません。
           さと
釈迦は、現世の悟りを説いたのであって、死んだ人を救う神となったのではないのです。
                              じょうど
ですから、釈迦に手を合わせて浄土に行かせて下さいというのは根拠のないところです。


     ※阿弥陀・・西方にある極楽世界を主宰するといわれる仏

     ※浄土・・・一切の汚れや迷いから離れ去った清浄な世界で仏が住む所。




では釈迦のように悟り切れなかったら

       どうなるのでしょうか?



             む

 
釈迦は、全てが無だと結論づけました。しかし、もし全てが無ならば、私たちは無に向かって

生きている事になり、努力する意味もありません。たとい死後は無だとしても私たちの罪は残りま
                                つぐな
す。釈迦の言うように全ての欲望を捨てたとしても、自分の過去の罪の償いをした事にはなりませ
                                      ぜんこう
ん。なぜなら、私たち人間には良心があり、自分の罪を良く知っています。どんなに善行を積んで
      せんぞくよう
も、どんなに先祖供養をしても、自分の罪をごまかすことも消すこともできません。ひとりひとり
しもん          おか                                  しら  き
指紋が違うように、自分の犯した罪は自分の責任として残り、人のせいにして白を切るわけには

いかないのです。


 ですから、自分が犯した罪の報いは、自分が受けねばなりません。

死んでから釈迦にお願いしても遅いのです。


では、こんな私たちに

救いはあるのでしょうか?


      あります。それはただ神の恵みによります。
          つぐな
  神は、私たちの罪の償いのため身代わりを立てて下さいました。それはイエス・キリストです。

神は、私たちの罪を全て十字架に釘づけにして下さったのです。ですから、このキリストのゆえに

恵みで救われるのです。



  釈迦は、死んでからのことは何も言いませんでした。神様の恵みが分からなかったからです。
                 おさ
釈迦は自分の力で欲望を抑えることができました。それはすごいことです。しかし、罪あることは

私たちと同じです。その故に苦しんでいたのですから、釈迦も救われる必要があったのです。

自分の力ではなく、イエス・キリストを通して救われる必要があったのです。

  聖書には、「御子を信じるものは減びることなく、永遠の命を持つ。」とあります。

  釈迦は生きている時の苦しみからの解放を語りました。しかし、キリストは私たちの罪そのもの

を解決し、永遠の命を与えるために身代わりとなって死んで下さったのです。ですから、この罪を
 あらた
悔い改め、イエス・キリストによって救いを得るなら、平安を得るのです。

  ここに生きている時と、死んでからの救いが保証されているのです。これは神の恵みによって

与えられるものです。そして私たちは、キリストによって変えられるのです。


「だれでもキリストのうちにあるなら、その人は新しく造られた者です。

       古いものは過ぎ去って、見よ、すべてが新しくなりました。」
      
             
(第Uコリント5章17節)

  私たちの救いはキリストを信じる信仰によって与えられます。

    それは誰れも誇ることのないためです。
あなたもこの神の恵みにあずかって下さい。








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