（起）　マタイの福音書９章１７節の「新しいぶどう酒は新しい皮袋に入れるべきです」との御言葉

から、「律法による古い時代の生き方ではなく、御霊さまによって生きる新しい生き方の中で生きて

行くことが、私たちの新しい革袋である」ということを学んで行きます。

（承）　さて、１７節を見ますと、「新しいぶどう酒は新しい皮袋に入れるべきです」とあります。

新しいぶどう酒は発酵する力が強いので、古い皮袋に入れると、皮袋が張り裂けてしまいます。

だから、新しいぶどう酒は新しい皮袋に入れて保存しなければなりません。そこで、私たちも今は、

旧約の時代から、新しい時代にあって生きる者とされています。すなわち、新しい時代には、新しい

生き方をしなければなりません。そうしないと、新しくされた命も、張り裂かれてしまうからです。

その新しい生き方とはどういうものとかと申しますと、私たちが今生きている時代は、もう律法

による古い時代の生き方ではなく、御霊さまが一人一人に働かれる新しい時代の中で生きている

ということです。すなわち、イエス様の弟子たちが語り出した福音は、罪人は、「律法によって義と

されるのではなく、イエス・キリストを信じる信仰によって義とされる」というメッセージでした。

すなわち、人は自分の努力によって救われるのではなく、ただイエス・キリストの贖いを信じる信仰

によって救われるということです。私たちは、その新しい時代に生きる者とされたのです。

  ところが、クリスチャンの多くは、信じてもなお、自分の思いや考えによって、自分の力で何とか

信仰を保って行かねばならないと考えています。それは、まさに新しいぶどう酒を古い皮袋に入れる

ことです。その皮袋は張り裂けてしまいます。即ち、キリストから頂いた救いも張り裂けてしまうと

言うことです。新しいぶどう酒は新しい皮袋に入れなければなりません。すなわち、イエス様を

信じた者は、自分の力で結果を出して行くのではなく、イエス様にあって結果を出して行くのです。

それは、イエス様によって歩んで行くということです。そうすれば、必ず聖霊さまの働きがそこに

起こってきます。これこそが、私たちクリスチャンの新しい生き方なのです。

（転）　ところが、この生き方を始めようとすると、必ず悪魔の邪魔も起こってきます。私たちが

この地上にいる以上、悪魔の妨げは決して消え去ることはありませんので、私たちはこの魔物と

一生涯戦って行かなければなりません。しかし、そのときに自分の内に働く魔物の力を、自分の力で

抑え込もうとしても無駄です。なぜなら、魔物は霊だからです。霊は肉を越えた存在ですから、

私たちの知らない所で、内側からも外側からも、いくらでも働きかけてきます。ですから、霊に

対しては霊で戦わなければなりません。すなわち、私たちは自分の肉で魔物を抑え込むのではなく、

「御霊の助けによって、イエス・キリストの御名によって退け」と、魔物を退けて行くのです。

この霊的な戦い方をしなければ、知らないうちに、悪魔の妨げとそのペースにはまってしまいます。

私たちは今までこの戦いをせず、まんまと魔物に騙され、「お前は弱い人間なのだから、いくら信仰

によって生きて行こうと粋がったって駄目だ。結局自分が頑張らなければ、何も起こってこないぞ！」

という声を聞き続けてきたのです。それによって、イエス様を信じた者にも関わらず、信じる以前の

古いやり方を続けてきました。それは正に、「新しいぶどう酒を古い皮袋に入れる行為」でした。

実は、それが私たちの大きな問題だったのです。イエス様を信じたのなら、もう古い皮袋は見切って、

新しい生き方にガラッと変えて行かなければなりません。すなわち、自分の肉の力に頼って結果を

出すのではなく、聖霊さまの働きによって、結果を出して行く生き方に、明確に変えていくのです。

これが、イエス様を信じた者の新しい生き方です。そして、これがクリスチャンの地上で生きて行く骨

です。決して、自分の肉の力と御霊の働きを混ぜものにしてはいけません。

（結）こういうわけで、私たちが意識して行くのは、自分自身の肉の力ではなく、聖霊さまの働き

です。聖霊さまが働いて下さることによって、そこに結果が表されるのです。これからは、目に

見える自分の肉に頼って行くのではなく、目に見えない聖霊さまの働きが自分の周りに次々と

起こってくることを期待して行こうではありませんか。そして、絶対主から一人一人に聖霊の力を

頂いて、絶対主の「終末の志士」として働きを始めさせて頂きましょう。どうか、絶対主の意向が

この地に表されて行くことを願いつつ、聖霊さまの働きによって、主にあって結果を出して行く、

新しい生き方を始め出して行きましょう。