『聖書以外の古文書からキリストについて
知ることは可能でしょうか?』
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弁証―大いに可能性があります。
@ローマの歴史家の中にタキトウス(AD55年〜AD120年頃)という人がいます。
彼は、ローマの政治家でしたが、引退後、歴史の著述に専念します。
彼が残したローマの年代記(AD14年〜66年半までのローマの政治史)の中に、
ネロのキリスト教徒迫害に関する詳細な描写があります。これは、非キリスト教徒の記録の中で、
イエスの史実を認めた初期の史料として重要なものです。その文書の中には、
「実におびただしいクリスチャンが自分の信仰を投げ捨てるよりも、死を選んだ。」という
証言があります。そして、キリストは、ポンテオ・ピラトによって処刑されたことが明確に
記されています。
Aローマの歴史家でユダヤ人の裏切り者といわれるヨセフスという歴史家がいます。
(AD37年〜100年頃)。彼は、元パリサイ派の祭司で、ユダヤ戦争(AD66年〜70年)の
時、ガリラヤの司令官でしたが、ローマ軍に投降し、捕虜となりました。
その後、皇帝ウェスパシアヌスの庇護のもとで著作に専念し、「ユダヤ戦記」7巻と
「ユダヤの古代誌」20巻を残しました。彼は、その「古代誌」の中で、イエスと弟ヤコブに
関する記録を書き、「イエスが初代教会の創始者であり、ピラトによって十字架にかけられた
こと、そして賢明な教師であった」という新約聖書の内容を裏付けているのです。
Bその他に小プリニウスがトラヤヌス帝に宛てた手紙の中に、クリスチャンが「イエスを神と
して礼拝し、信者は高い倫理的意識をもって、信念を曲げない信仰を持っていた。」と証し
しています。これらの他にも、たくさんの文献が初代のキリスト教について言及しています。
これらの古代の歴史文献には、福音書の書かれる前から、キリストについての内容が残されて
いるのです。ですから、聖書は神話ではなく、信憑性の高い史実として、
人々の間に受け入れられてきたのです。
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