『人間本来の生き方』
使徒17章23節〜31節
@ アテネの町には、ギリシャの神々に混じって、『知られない神に。』と刻まれた祭壇があり
ました。パウロはその祭壇を見て、彼らの知らないでいる天地を創られた真の神について語り
出しました。今朝は、パウロのその語り口を学びながら、そこから私たちの生き方について学ん
でいきたいと思います。
A では、パウロはどのように語り出していったのか見てみましょう。彼はまず、アテネの人々
に対して言います。「あなた方は宗教心の厚い方々だ。」と、彼らを否定するところからは
入ってはいません。むしろ、「知られずにいる神に対しても敬意を表して拝んでいるからです。」
と、肯定的に語り出しています。それは、ここから本題に入りたいからです。まず、彼らの知ら
ないでいる創造主の存在を伝えようと、「この世界とその中にあるすべてのものをお造りになった
神は、天地の主ですから、手でこしらえた宮などにはお住みにはなりません。又、何か不自由な
ことでもあるかのように人に仕えられる必要はありません。それどころか、神はすべての人に、
いのちと息と万物とをお与えになった方であり、人間以上の神である。」ことを伝えようとして
います。確かに先日、日本は人工衛星の「かぐや」を月に打ち上げました。その月から地球を
見ると感動します。しかし、それが出来るのは、地球も宇宙も計算された世界で動いているから
です。もし、無秩序な宇宙なら、打ち上げること自体不可能でしょう。私たち人間の体は更に
精密です。たった一個の受精卵から、60兆の細胞に増えて体は造られています。それが手や
足や頭や心臓などの臓器になったり、秩序正しく人間として出来上がるのは、細胞一つ一つに
計画された設計図(DNA)が組み込まれているからです。さらに、地球は大気によって有害な
紫外線や磁場から守られており、生きるためのあらゆる環境が整えられています。実に私たちは、
神の中に生き、動き、また存在しているのです。創り主を知ると、今までの考えが一変します。
B 存在する全てのものは、この創造主によって創られ、維持されているということです。
そして、神は人間を男と女に造り、「男は神の似姿として、神の栄光の現れとし、また女は男の
栄光の現れとして創造されました。」ですから、男は責任ある生涯を全うするなら、神の栄光の
現われとなり、又女が、賢く男に仕え生涯を全うするなら、それは男の栄光となるのです。即ち、
男も女も自分の栄光を表すために生きているのではなく、自分の頭の栄光を表すために生きて
いるのです。これが、人間本来の生き方であることをパウロは伝えています。これは創造の初め
から、創造主の創られた秩序であるからです。この考えに従って生きていくときに、私たちは
本来の人間の生き方が出来るのです。
C 私たちは、知らずにいることがたくさんありました。
神は、自分たちのために存在すると思っていたことが、そうではなかったように、自分の命に
ついてさえ、自分のものではなかったのです。又、自分の生涯は、自分の栄光を表すためにある
かのように考えていましたが、自分の命が自分で創ったところは一つもないのなら、自分の栄光
など表わせる訳がなかったのです。創り主を知ると、その考えが一変し、人間のあり方が分かって
くるのです。 |
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