(起)「艱難時代を通って行く必要な心構え」について学んでいきたいと思います。
(承) さて、この13章では獣について出てきますが、この獣は、「聖徒に戦いを挑んで
勝つことが許され、全世界を支配する権威が与えられます(7節)。」とあります。
言うことは、そこに聖徒がいると言うことです。そして、11節以後を見ていくと、それを
後押しする偽預言者が現れると書いてあります。この偽預言者は、いろいろな奇跡を行い、
獣を拝ませるように仕向け、地に住む人々を惑わします。この事は今までもお伝えしてきた事
ですが、今日皆さんにお話しすることは、「この獣の時代に、獣の前に出されて証しをする
のが、他人ではなく私たちである」ということです。私たちクリスチャンは、完璧な板挟みの
中に置かれます。14:9〜10にあるように、もし私たちが、獣による苦しみを恐れ、
獣を拝み、獣の刻印を押してしまうなら、その後に待っているのは永遠のゲヘナの苦しみです。
しかし、刻印を押さなければ、私たちは、この地上で売ることも買うこともできず、生きて
いくことが困難になります。このように、クリスチャンは、どちらの道を選択しても苦しみに
会う状況の中に置かれます。
(転) では、この時代の中にあって、私たちはどのような心構えをもって行けばよいの
でしょうか。それは、一つしかありません。獣の迫害を、ありのまま受け入れるだけです。
そして、そのために必要な心構えは、ルカ17:9〜10にある、しもべの心です。
このしもべの心とは、命じられたことをきちっと行い、主人から感謝はされなくても、
文句を言わず、「役に立たないしもべです。」という、遜った心を持っているということです。
しかし、これは私たちにとって理想であり、綺麗事の世界です。私たちは、この通りに
できない自分自身の弱さを覚えています。でも、出来ないからといって、それでいいわけでは
ありません。私たちは、聖書に書いてある以上は、この心を追い求めていかなければならない
のです。艱難時代に入った時に、「自分を認めてほしい。自分の心をいたわってほしい。
理解してほしい。」という気持ちが少しでもあるならば、それは、苦しい目に遭いたくない
ということですから、簡単に獣に妥協する者となってしまいます。基本的に、今の世の中は
律法主義で、「自分がやったことを認めてほしい。」という思いを皆持っています。
そして、「これをやったんだから、これを下さい。」という、ギブアンドテイクの心が、
子どもの頃から染みついています。しかし、その考え方は間違っています。
私達が、自分の行いによって認めてもらいたいとか、誉めてもらいたいなどという要素は、
自分には一つもない、惨めな者であるということです。私たちが、艱難時代を通っていける
信者に成るためには、自分に頼る要素は一つもないことを知る必要があり、自分を守ること
など出来ない罪人である事を悟る必要があります。それは、「どんな苦しみに遭っても
当然です。自分はなすべきことをしたに過ぎません。」という、このしもべの心をもって、
ありのままを受け止めて行かなければならないからです。
(結)ですから、「3月中」と約束されていた事柄も、たとえ、その通りにならなくても、
私たちは遜って受け止め、弱い自分自身の姿をありのまま認めて、なお主に従っていく
選択をすべきです。しかし、その弱さの故に、「主よ、どうしてですか。何故ですか。」
という弱音を一切持ってはいけないと言うのではありません。
何故かというと、実はイエス様も、「この杯をわたしから取り除けて下さい。どうして、
わたしをお見捨てになったのですか?」と絶対主に祈られています。しかし、最後には、
「あなたの御心のとおりにして下さい。」と言って、ご自分の身を委ねられました。
私たちも、確かに弱さを持っていますから、弱音も吐きます。でも、その弱さを持っていても、
最後には「主の御心を受け止める」というところに立てば良いのです。獣の前に出た時、
「自分はもう駄目だ。助けて!」と言うかもしれません。
でも、「自分は信仰の道を捨てたくない。」と、最終的にそこに留まるなら、「それでいいの
です。」とイエス様は仰って下さいます。「私も、肉の弱さを持っていました。
だから、父に祈ったのです。そして、弱さの中で従いました」と。イエス様ご自身がこの道を
通って私達に模範を残して下さいましたから、私たちもその心を持って、最後まで信仰を
通していけばいいのです。それは、強がりを現すことではなく、ありのままの自分の弱さを
認めつつ、主に叫んで、全うすることです。それを、絶対主は喜んでくださいます。
なぜなら、強い人間のために、ご自分の御子を遣わしたのではないからです。
罪人を救うために来てくださったイエス様にありのまま、お委ねして信じる心を全うして
行こうではありませんか。 |
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