ルネッサンス時代から始まった革新運動は、君主制とカトリックの宗教的権威に
反対して、人間の自立を目差す凄まじいエネルギーを生み、次々と宗教改革(16世紀)、
科学革命(16世紀)、市民革命(17世紀)、啓蒙思想(17〜18世紀)、
産業革命(18世紀)、進化思想(19世紀)へと進んで行きました。
この過程の中で、人間の尊厳すなわち人間中心主義が花を開き「神は死んだ」という時代
が始まりました。そして、唯物主義がその時代のパラダイムとなり、人間の命も、物質の
特性のうちの一つに過ぎないと考えられ、物質プラス偶然が人間の命を生み出したという
進化思想が定着していくのです。この進化論の上に成り立った弱肉強食の世界は、
人間社会にエゴイズム、攻撃性、思いやりのなさ、競争社会、好色、劣性遺伝子の抹殺
というマッチョ的悪徳を生み出して行きました。しかしながら、20世紀末葉からDNAの
解明が成され、生命の起源の発想が変化していきます。昔は、アミノ酸の化学的特性が
お互いを引き寄せて長い鎖を作ってタンパク質になると考えられていました。
しかし、「DNAの遺伝情報なしで、いったいどのようにして最初のタンパク質ができた
のか?」という問いかけは、生命の起源に一石を投じました。
それは、情報の背後には知性的発信者の存在が否定できないということです。
すると、「神は死んだ」と言われていたパラダイムから、「初めに絶対主が天地を
創造した」というパラダイム変換が起ってきたのです。科学の発達は、逆に人間を
絶対主の許に引き戻す結果となりました。
まさに、21世紀は過去のパラダイムから離れた、本来の絶対主の許にある生命の尊厳に
戻る世紀に入ってきました。これで、ダーウィニズムは19世紀の古い学説として終焉を
迎え始めたのです。
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一体どうのようにして、最初のタンパク質ができたのでしょうか? |