生命は、どこから始まったのか? という問題について、進化論的な仮説の第Uとして
「化学物質の親和性」という考え方があります。
これは、任意偶然説(偶然+時間=生命体の誕生)が木端微塵に打ち破られた後に、
科学者が考え出した第Uの仮説です。
すなわち「化学物質には、先天性の吸引生があったと考え、アミノ酸は、自発的に自らを正しく
配置し、タンパク質分子を生成して生命細胞を生んだ。」という主張です。
この主張は、炭素を地球の表面において、化学反応を待ち、数10億年放置しておけば、
タンパク質分子が出来上るというものです。この可能性は、1060分の一です。
この確率の低さを例えると、地球上の陸地の全部に、1mの砂をおおい、その中の1つの砂粒に
目印をつけて、3回連続で拾い上げるようなものです。
その砂粒の数は、せいぜい1025〜1026個にすぎません。不可能なことです。
そして、決定的な問題は、たとえ化学物質が互いに吸引し合ったとしても、アミノ酸を正確な
順序に並ばせて生命の機能を果させるタンパク質の集団を作り上げて、その機能ごとに
考えてまとめ上げさせる知能は、物からは生まれないということです。
いくら化学物質が勝手に引き合ったとしても、意図された設計図通りに引き合わせないと機能を
生むタンパク質とはなりません。
すなわち、すべての生命体の制作には、知的な力が背後になければ、無に帰すということです。
ここに創造主の存在の論理が明らかとなります。
ですから、「化学物質の親和性」を発表した生科学者のディーン・ケニヨンは、1986年に
この仮説を放棄し「生物学的宿命論」を書いて、1973年のパハロ会議で創造論の立場に
立った知的デザイン説を唱え始めたのです。
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