『神道の世界観が人生の地図になるか?』
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神道の世界観は、古事記と日本書紀にあります。これらは、BC660年の神武天皇から始まる
天皇家の歴史書で、第40代の天武天皇が編纂させたものです。
ところが、日本には第15代の応神天皇(5世紀前後)以前には文字がなく、歴史資料は日本
にありませんでした。そもそも、この古事記・日本書紀の書かれた経緯は、天武天皇(大海
人皇子)が、弘文天皇(大友皇子)と壬申の乱(AD672年)を起こしたところから始まり
ます。この時、天武天皇は伊勢神宮に行って戦勝祈願をし、戦いに勝って天皇(673年即
こうそしん あまてらすおおみかみ やたのかがみ
位)となります。これ以来、伊勢神宮は皇室の皇祖神とされ、天照大御神、八咫鏡を他から
伊勢神宮に移し、御神体を祭る神社としたのです。そして、伊勢神宮と出雲大社などを
天津神(天にいて全てを治める神)として、天武天皇が自分を神官としたのです。そして、
神官は神と一体であるとして、自分を現人神(人が神となって現れた)と定めました。
そして、その裏付けとして、古事記や日本書紀を書かせたのです。
また、この頃にちょうど、中国から景教(キリスト教)が日本に入ってきます。そして、
古事記・日本書紀の最初の国造りの部分に「天地創造」や、「神が人となった」という影響
が入り込んでくるのです。まさに、神道は、この天武天皇の 時代から始まったと考えても
いいのです。そして、彼は、日本書紀が出来上った時に、その編纂に携わった人たちを全部
殺してしまいました。それは、偽作であることを恐れたからです。このことから、分かる
ように初代の天皇がBC660年の神武天皇だと勝手に決めて、日本は「万世一系の神国なり」
という図式を作り上げたものは偽作であり、初代の神武天皇から第14代の仲哀天皇までは、
創作であったのです。そこには歴史性はありません。これは、学者の間ではっきり認められ
ているところです。ですから、天武天皇を神とした神道の教えは、創作であり、このこと
から、神道には人生の地図となるものはありません。
次回は、仏教の世界観を通し、人間が「どこから来て、どこへ行くのか」という人生の地図
を調べてみたいと思います。
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